心をケアする方法
複雑で高度に成熟した日本の社会で、明るく前を向いて、勇気・希望・愛に満ちた心で生きる。
そのためにどう心のケアをしていけばよいだろうか。
多くの方は体のケアはかなり真剣にやる。血糖が高ければ海草がいい、玉ねぎがいいとか食べ物に気を遣う。
フィットネスクラブに行って体を動かしたりもする。しかし、心のことについては何もケアしていない人がほとんどである。
たとえ、ある人に非常に意地の悪い感情を持っていたり、子供のことについて短所が気になって仕方がなくなったりしても、
自分の心の持ち方がおかしくなってきていることには気が付かないことが多い。
この都市化された日本で一日朝から晩まで生活してれば、夜には当たり前に神経が擦り切れてしまい、体も心もヘトヘトになってしまう。
だから毎日お風呂に入って汚れた体をきれいに洗い流すだけでは足りない。心の掃除が必要なのだ。
では、心の掃除とは具体的に何をしたらいいのだろうか。
部屋の掃除なら話は簡単だ。掃除機をかけ、雑巾をかければいい。体だって、シャワーを浴びて洗えばきれいになる。
しかし、具体的な掃除の仕方となると、なかなか的確に教えてくれる本やセミナーはない。
「心をきれいにしましょう、心をきれいに保ちましょう」とは書いてあるのだが、具体的にどうすればいいのか。
私自身も具体的な方法はなかなか見つからなかった。では私はどうしたのか、というと当初はひたすらに耐えるしか方法がなかった。
つらいことがあっても我慢する、耐える。理不尽なことにも耐えに耐える。
そして耐えることによって生じる怒りや不満も抑える。だがこのやり方ではいつかは破綻する。
人は理不尽なことや非人間的な扱いに、ただ忍従しているだけでは精神が蝕まれてしまう。たんに耐え続けるだけではだめなのだ。
ではどうすれば日々の中で溜まった心の垢をきれいに洗い流せるのか、というと実は本当に簡単な方法があるのである。
ポイントは寝る直前にある。
そのポイントとは、夜、布団に入って体を横たえ、眠りに入る直前、その時に「何も考えない」ようにすることなのだ。
布団に入った後で、今日一日にあった出来事を思い出さないようにすることなのである。
特に、腹の立ったこと、悲しかったこと、傷ついた出来事など否定的な出来事を思い出して、怒りや悲しみを増幅させてはいけない。
もしも寝るときに何も考えないことができないのであれば、いいことだけを思って眠る。
いいことはどんな些細なことでもいい。
今日お母さんと話をして喜んでもらえた、たまたま入ったレストランの食事がおいしかったなどでかまわないから、
よかったことだけを考えて眠りにつく。
これが心の垢を落とす具体的な方法である。
こうして何も考えない、あるいはいいことだけを頭に思い描いて眠る習慣がつくと、朝気持ちよく目覚めることができるようになる。
そして、今までは些細なことで傷つき腹が立っていたのが、あまり心が惑わされなくなる。